【感想】『人生はシネマティック』を観て。~物語が生み出す癒しの効果~

日常生活でストレスを感じた時は、無性に小説が読みたくなります。ストーリーに溶け込むことで、頭がリセットされ、ストレスが知らぬうちに消えていることがよくあるからです。

物語には癒しの効果がある。

この映画を観てそう確証することができました。

映画のタイトルは、『人生はシネマティック』。

スポンサーリンク

作品情報

タイトル:『人生はシネマティック』
原題  :『Their Finest』
公開日 :2017年11月11日(土)
時間  :1時間57分
監督  :ロネ・シェルフィグ監督(『17歳の肖像』)

主演  :ジェマ・アータートン(『007/慰めの報酬』)

出演  :ビル・ナイ(『ラブ・アクチュアリー 』)
サム・クラフリン(『あと1センチの恋』)

あらすじ

第二次世界大戦真っただ中のイギリス。政府は疲弊する国民を鼓舞するために、プロパガンダ映画を製作することに。脚本を担当することになったのは、一度も執筆経験のない女性新人脚本家カトリン。

脚本を任された彼女は、ダンケルクの戦いの際に活躍した双子姉妹の活躍を描くことを決意する。しかし、いざ製作を始めると様々なトラブルが。政府や軍部からの横やり。役者のワガママ。信頼する人からの裏切り。そこに戦争が重くのしかかる。外に出れば、瓦礫ばかりの街並みが広がる。

そんな辛い状況の中、彼女は何とか映画製作にまい進する。
が、そんな彼女に最後に想像を絶する悲劇が待ち受けていた。。

前向きで力強さを感じる映画

この映画を観て、物語には心を支える効果があると感じました。
あらすじにある通り、主人公の女性脚本家には辛い現実がいくつも待ち受けています。
戦争という絶望的な状況下で、恋人からの裏切り、撮影の変更や中断、そして最後に待ち受けている最大の悲劇。
彼女はそんな試練を目の前にしながらも、最後まで前を向いて映画を製作し続けました。
彼女の前向きな姿勢に勇気づけられる観客は多いのではないでしょうか。

そして、彼女の心を支えていたのは、「物語」だったのではないかと思うのです。
国民を元気づけるために映画を製作することで、自分自身も元気づけられていた気がするのです。

そう思う根拠は、私自身「物語」には癒しの効果があると思っているためです。

読書は最大のストレス解消法

2009年、イギリスにあるサセックス大学のデイビッド・ルイス博士は、
ストレス発散の効果的な方法についての研究結果を発表しました。
リラックス効果があるといわれる方法の中で、ストレスがどれだけ発散されたのかを順位で表すと、

1位 68% 読書
2位 61% 音楽鑑賞
3位 55% コーヒー・紅茶
4位 42% 散歩
5位 21% ゲーム

コーヒーを飲むこと以上に、読書が最もストレスを解消する方法であるということが分かったのです。
被験者たちは6分間読書をするだけで、心拍は落ち着き、リラックスし始めたそうです。
(参考:http://www.telegraph.co.uk/news/health/news/5070874/Reading-can-help-reduce-stress.html)

デイビッド・ルイス博士は、読書による適度な集中が脳をリラックスさせ、緊張をほぐす効果があるからだと、結論付けました。

しかし、それだけでは無いのではないか? と、個人的には思うのです。
「物語」という現実世界とは異なる別の世界に没入する行為自体が、心を満たす効果がある気がするのです。
目の前に存在しない人物を想い、架空の世界を頭の中に創り出すことは、自分の心をより豊かにし、見える世界をよりカラフルなものにする効能がある気がするのです。

上手く言葉にできず、とってももどかしいのですが。。

物語に支えられていた主人公

そういった漠然とした思いがあったため、この映画を観た際、主人公は物語を製作していたからこそ、辛い現実に向き合えたのではないかと思ったのです。
その証拠に、映画が完成した後彼女は辛い現実に押しつぶされ感情を爆発させます。映画製作を終えたことで、彼女は物語の世界から抜け出してしまったからではないでしょうか。

物語には、癒しの効果がある。
それは、「集中することでストレスが解消される」という「お得な効果」以上に、もっと人間の心に根源的な効果をもたらすものなのではないかと強く思うのです。

この映画を観て、改めてそう思いました。

みなさんもストレスを感じた時は、物語の世界に入ってみてはいかがでしょうか。

【『人生はシネマティック!』が観れる映画動画サイト】

以下5つのサイトで『人生はシネマティック!』を観ることができます。
Amazon ・TSUTAYA TV ・U-NEXT ・ビデオマーケット ・dTV