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障害者法定雇用率とは? ~平成30年4月から2.2%へ引き上げ~

障害者を持っている方は一般の労働者に比べ正社員として働ける機会が極端に乏しい。そんな不平等を無くすために設定された障害者の法定雇用率
国や地方公共団体、さらに民間企業は障害者の一定率以上の雇用が義務付けされています。

法定雇用率は、5年ごとに変更することが定められており、2017年5月、法定雇用率が2018年から引き上げられることが発表されました。(参考

今回はそんな障害者の法定雇用率のキホンについてまとめてみました。

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障害者雇用促進法

障害者の法定雇用率は「障害者雇用促進法」により定められています。
この法律は古く、1960年に制定されました。
当時の名前は「身体障害者雇用促進法」。
1976年に身体障害者の雇用が事業主に義務付けされました。

その後、1987年に知的障害者も雇用義務の対象に。
更に、2006年には精神障害者も雇用率に算定できるようになりました。
  (身体or知的障害者のように雇用の義務が課せられたわけではない)
そして今回、2018年に精神障害者も雇用が義務付けされました。

【知的障害と精神障害の違い】
  • 知的障害:会話や読み書き計算など日常生活に必要な知的行動や判断能力などの知能面に支障がある障害。
    精神遅滞と呼ばれることもある。
    国から「療育手帳」が発行される。
  • 精神障害:統合失調症や躁うつ病、てんかんなど精神の障害により日常生活に支障がある障害。
    国からは「障害者手帳」が発行される。

障害者の数

平成28年版の障害者白書の参考資料によると、国民の6.7%が何らかの障害を有している計算になります。

区分別にみてみると、

  • 身体障害者:393万人
  • 知的障害者:  74万人
  • 精神障害者:392万人      (千人以下は四捨五入)

この数字はあくまで国が把握している数字なので、実際にはもっと多くの方が障害を有しているといわれています。

また、障害者手帳取得者の数を見てみると、

  • 身体障害者手帳    :386万人
  • 療養手帳       :  62万人
  • 精神障害者保健福祉手帳:  57万人      (千人以下は四捨五入)

精神障害者の手帳取得率が低いことが分かります。
これは、先ほどの「精神障害者数392万人」には医療機関を利用した一過性のうつ病患者などを含んで集計しているためです。
それにしても精神障害者の手帳取得率の低さは問題だと感じます。


次に、民間企業で働く障害者の数は以下の通り。(参考

  • 身体障害者:32万人
  • 知的障害者:10万人
  • 精神障害者:  3万人      (千人以下は四捨五入)

約45万人の障害者が民間企業に雇用されている計算になります。

法定雇用率

その一方で各事業所に課されている雇用率は、
〇民間企業
〇国、地方公共団体、特殊法人等
〇都道府県等の教育委員会
と、3つに区分され決められています。

民間企業の場合の法定雇用率は、
平成25年3月まで :1.8%
平成25年4月から :2.0%
でした。

そして、今回の決定により、
平成30年4月から :2.2%
平成33年4月から :2.3%
に引き上げられることが決まりました。
(2.2%から2.3%への引き上げは早まる場合もあり。)

法定雇用率が引き上げられた理由

今回引き上げられた理由は、平成30年4月から法定雇用率の計算式が変更になったためです。

今まで厚生労働省は法定雇用率を算出する際、身体障害者と知的障害者が全国に何人いるのかという数字を参考にして、2.0%という率を算出していました。
平成30年からは、精神障害者が雇用の義務になりました。
それに伴い、上記の雇用率を算出する際に、精神障害者数も加えて算定することになりました。
結果として、法定雇用率が引き上げられました。

企業の達成具合

では、企業はどれくらい達成できているのでしょうか?
報告によると、企業の達成具合は良くありません。

平成27年に法定雇用率を達成できた企業は、47.2%
半数に満たしていません。

特に、規模の小さい企業の成績が良くありません。
民間企業の規模別の障害者雇用率は以下の通り。

  • 50~100人  :1.49%
  • 100~300人   :1.68%
  • 300~500人   :1.79%
  • 500~1000人 :1.89%
  • 1000人以上   :2.09%

現状の法定雇用率は2.00%。
平均で見ると、1000人以上の大規模な企業だけが達成できているんですね。

ただ、雇用者数は年々増加傾向。
少しずつ障害者の雇用が社会に浸透してきていることが分かります。

出展:平成28年版 障害者白書 参考資料より

障害者雇用納付金制度

障害者雇用促進法には納付金制度が設けられています。
達成できていない事業主から納付金を徴収し、達成できている事業主に調整金を支給しています。(対象は常用労働者100人超の事業所)

雇用率に達しなかった場合

不足する障害者1人につき月額50,000円を徴収
(常用労働者100人超200人以下の企業は平成32年3月31日まで月額40,000円)

 

雇用率に達した場合

【障害者雇用調整金】(100人を超える事業所)
雇用率を超えて雇用した障害者数1人につき月額27,000円を支給

【報奨金】(100人に満たない事業所)
100人に満たない事業所は徴収の対象外ですが、自発的に雇用している場合は報奨金を支給しています。
一定数を超えて雇用した場合は、1人につき21,000円
(詳しい算定方法はこちらををご参考ください)


障害者の雇用率を守れなかった場合、1人につき50,000円も負担をしなければなりません。逆に達成したら27,000円の支給。この差は何なんでしょうね…(笑)
半数以上の企業が達成できず高額な納付金を納めているのが現状です。

達成できない場合は企業名が公表されることも

現在半数以上の企業が達成できていない中、さらに雇用率が引き上げられます。
達成できていない企業に対しては、ハローワークが雇用率達成指導を行い、それでも改善できない場合は、最終的に厚生労働省のホームページに企業名が公表されることになっています。
(参考:平成28年度 障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく企業名公表等について

障害者を雇用し、定着させるには時間を要することがほとんどだと思います。
企業には早めの対応が求められます。

障害者にとっては追い風

逆に障害者の方にとっては追い風になるのでしょう。
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コメント

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