大学職員が知っておくべき法律のキホン~憲法と教育基本法~

法律のキホン初回は憲法と教育基本法を説明します。

まずは、憲法の教育に関する条文から。

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日本国憲法

26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2  すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

子供たちが学校に行くことを義務付けているわけではなく、親や国が子どもに教育を等しく受けさせる義務があることを定めています。

また義務教育が無償であることは憲法によって定められています。

上記の条文を受け、教育に関する国の基本的な考え方を定めた法律が制定されました。
それが、教育基本法です。

教育基本法

昭和22年(1947年)制定。
教育に関する根幹的な考え方を定めていることから、「教育憲法」とも呼ばれています。

法律が制定されてから60年ほど経過し、科学技術の進歩や、国際化の進展など当時の社会状況から大きく変わったことを受け、平成18年に全面改正されました。
この改正により、大学や私立学校の定義が条文化され、役割が明確化されました。

では、大学に関連する条文を見ていきましょう。


<学校教育>
6条 法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが、これを設置することができる。

法律に定める法人とは学校法人のことです。
学校は公の性質を有するため設置できるのは国、地方公共団体もしくは学校法人に限られています。


<大学の役割>
第7条  大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。
2   大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。

ここでは大学の役割について書かれています。
図にするとこういった感じでしょうか。

大学の役割

図にするまでもなかったですが、、
要は大学の成果を社会に広く還元させることも大学の役割として法で定められているのです。


<私立学校>
第8条  私立学校の有する公の性質及び学校教育において果たす重要な役割にかんがみ、国及び地方公共団体は、その自主性を尊重しつつ、助成その他の適当な方法によって私立学校教育の振興に努めなければならない。

国は私立学校の自主性を尊重しなければなりませんが、公共性の高さから助成等を通して教育振興に努めなければなりません。
助成金申請の業務は大学職員にとって大きな仕事の一つです。


教育基本法の説明は以上です。
その他の条文は割愛しますが、条文自体少ないですし、
教育の理念や意義が語られているので、興味がある方は一読してみることをお勧めします。
教育基本法

今回はここまで。

次回:大学職員が知っておくべき法律のキホン~学校教育法(第1章総則)~


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