『夜空はいつでも最高密度の青色だ』を読んで感じたこと。~感情の泉につかる~

社会では常に理性的であることを求められます。
「感情的になるな。分析して論理的に考えろ。」と。

そんな生活をずっと続けていくと、自分の感情がちょっとずつ鈍くなっていく気がします。
感情の泉には大きく重い蓋が載せられ、いつしか感情があったことすら忘れてしまいそうです。

彼女の本を読むと、そんな重く閉ざされていた蓋が緩み始めます。

「もっと自分も感情豊かに生きたい。」
「自分は今までどれだけの感情を殺して生活していたのだろう。」

そんなことを想わせてくれたのがこちらの本です。

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
最果タヒの詩集です。

忘れていた感性を少しよみがえらせてくれた気がします。

スポンサーリンク

作品情報

題名:『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
著者:最果タヒ
発売日:2016年4月22日

全43篇の詩が収録された最果タヒの詩集です。
この詩集を原作とした映画が2017年に公開されたため、題名を聞いた方も多くいるのではないでしょうか。

著者の最果タヒ(さいはて たひ)は、1986年生まれの女性詩人。
HPやSNSを通して頻繁に詩をアップしています。

この本を手に取ったきっかけは、あるネット記事で彼女のエッセイを読んだことでした。
「言葉というものにこんなにも純粋で真摯に向き合っている人がいるのか!」と、衝撃を受け、彼女の作品に興味を持ちました。

読んで想ったこと

悲しさの肯定感

普段、詩を読まない私ですが、今回この本に出合えて良かったと思いました。
普段の生活を通して忘れかけていた感情に気づけたからです。

彼女は感情の泉から溢れ出る想いを、なるべくそのまま言葉にして表現しています。
ビジネス書を読むときみたいな<意味>を探したらこの作品は読めません。
正直文章としてよく分かりません。
ただ、なぜだか自分の奥底にある感情を言い当てられた気がするのです。
そして、少しばかり背中を押してくれます。

彼女の詩には、「どんなに孤独でも、どんなに悲しくても、自分を抱きしめてあげよう」そんな肯定感が根底にある気がします。
日々自分をすり減らしながら、何とか生き抜いている現代の人々。
時には自分勝手に行動し他者を傷つける時も。
そんな人々の心に寄り添い、「そんな自分もまあいいんじゃない?」とさりげなく肯定してくれます。

感情に純粋に

社会では理性的であることを求められます。感情の泉にきつくフタを締められた人が偉い世界です。

普段押し殺している寂しさや虚しさ。
そんな感情の蓋をすべて取り払ってこの詩は書かれています。

この本を読んで心の奥底の何かがうごめきます。
多分それは、今まで理性によって押し殺されていた感情なのでしょう。

詩という世界を通して、たまには感情の泉につかってみよう。
でないと泉が枯れてしまう。

そんなことを想った本でした。