SNSに依存したり疲れを感じている人におすすめしたい本。『居るのはつらいよ』

在宅勤務をするようになってから、スマホを触る時間が格段に増えてしまいました。作業の途中で、気づいたらスマホをイジってる。スマホを触る時間が増え、集中力が落ちてきていることを感じます。

スマホでTwitterやInstagramを見てしまうのですが、見たところでいいことはそこまでありません。

みんな積極的に発信をしていて、自分が無価値に感じてしまうことがあります。SNSってすべてが数値化されてしまうから、大変ですよね。「お前の価値はなんなんだ?」って常に問われ続けている気がしてしまいます。

SNS依存しつつもSNSに疲れを感じている方は、きっと私だけではないはず。そんな方におすすめしたい本が『居るのはつらいよ』という本です。

スポンサーリンク

『居るのはつらいよ』ってどんな本?

居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』は、臨床心理士が精神科のデイケア施設で働ていく様子をつづったエッセイです。著書の東畑氏はデイケア施設で働いていくなかで、「ただいること」の重要性と難しさを見いだしていきます。

大学院で臨床心理学を研究した東畑さんは、就職先に苦労するも、なんとか沖縄の精神科デイケア施設で働けることになりました。赴任前は「セラピーを通して患者をどんどん治療していくぞ!」とやる気に満ちていたのですが、実際の現場で求められたのは「ただ、いる」ことでした。

デイケアはコミュニティーだ。しかも、究極のコミュニティーだ。というのも、それはいるためにいることを目指すコミュニティーである。(本書p220)

施設を利用する人々が、テレビを見たり、新聞を読んだりしているのを見守ることがその施設の最大の役割でした。積極的に治療できないことに、東畑さんは手ごたえのなさを感じますが、次第に「ただ、いること」の重要性に思いを巡らせるようになります。

退屈な時間があるからこそ、僕らは安心してそこにいられる(本書p136)

施設の利用者が、施設に「いる」ことができるようになるために、臨床心理士も近くにいてあげる。利用者とのエピソードをたっぷりと紹介しながら、そのことに気付くまでを描いています。

「ただ、いる」が難しい

SNSが中心の生活を送っていると、冒頭にも書いた通り「お前の価値はなんだ?」と常に問われ続けている気がして、焦るときがあります。「なにかしなくちゃ」という思いが先行して、行動していない時間が無価値に感じられてしまいます。

けれど、だからこそ、ただ居るだけの退屈な時間がすごく大事な気がします。肩の力を抜いて何もしない退屈な時間と場所があることで、「自分はありのままでここに居ていいんだ」と実感できる気がします。

そんなただ居るだけの退屈な時間の重要性を、本書を読んで実感しました。

SNSで疲れたときは、まずは「ただ、いる」場所で退屈な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?それすら難しいと感じられている方は、ぜひこの本を読んでみてください。きっとヒントを得られるはずです。