『3月のライオン 後編』の感想。~孤独な世界の出会いの物語~

前編の公開からおよそ一か月後、2017年04月22日に公開された『3月のライオン 後編』。
映画館にて観賞してきました。

前編を超える素晴らしい映画で心の奥底がジワーっと温かくなりました。
これが琴線に触れたというのでしょうか。
とても感動しました。

結末も原作者の羽海野チカさんが当初漫画で想定していたラストを採用したそうで、原作読者も感動の結末になっております。

「闘いの前編」から「愛の後編」へ。
今回は『3月のライオン 後編』の感想。

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上記の2つの記事を踏まえ、今回が後編観賞後の記事となります。

あらすじ

後編は前編から1年後の物語です。
前編のおさらいはこちらの公式動画から。

前編で川本家と出会った零(神木隆之介)。
その出会いから1年が経過した。
零は川本家の一員として食卓を囲めるようになっていた。

一方、棋士生活3年目に突入した零は、
新人王獲得を記念し、宗谷名人との記念対局をすることに。初めての対戦を前に緊張する零は、ライバル・二階堂(染谷将太)や育ての親・幸田柾近(豊川悦司)からアドバイスをもらい、なんとか勝負への心構えを整える。
宗谷名人との対戦の結果は、中盤に不要な一手を指してしまい敗戦。
しかし、対戦を通して新たな世界を見ることができた。

棋士として新しいステージへ歩を歩みだした零が、川本家へ帰宅すると、
泥だらけでボロボロになったひなた(清原果耶)が目の前に。

大好きなひなたが学校でいじめられていることを知った零。
更には、川本3姉妹を捨て、別の女と暮らしていたサイテーな父親・誠一郎(伊勢谷友介)が家族のもとに帰ってきた。

自分を守ってくれた川本家。
今度は自分が川本家を守る番だと心に決めた零は自らのやり方で闘いを始めていく。

将棋にしがみつき、将棋でしか闘うことを知らなかった青年が、人と出会い、人の温かさを知ることで、現実社会でも闘いを始める成長の物語。

【監督】大友啓史(「るろうに剣心」他)
【時間】139分
【原作】羽海野チカ

感想

・登場人物の描写に心が震える

将棋しかなく将棋にしがみ続けた人間が、実はたくさんの人に支えられていたことに気付く今回の物語。

周囲の人がそれぞれ不安や問題を抱えながら、それでも前を向いて闘っていく姿を零は目にします。

妻の死や、病気、難聴やいじめに家族の問題。

みんな何かと闘い苦しみながらも、一歩ずつ前に歩み続ける彼ら。

零はそんな彼らとの出会いを通して、将棋以外の世界(=現実社会)で闘うことを知っていきます。

そして、闘うことを通して気づく、
自分はたくさんの人に支えられていたという事実に。

出会いを通して、人としても、棋士としても大きな成長を遂げる零。
その姿に心が震えました。

・孤独であることの美しさ

全員がそれぞれ別々の問題を抱えているという点では、全員孤独と言えるかと思います。
また、対戦中自分以外に誰も頼れる人がいない棋士は、まさに孤独の世界に生きるプロフェッショナル。

そんな孤独の世界で闘う人たちも、実は多くの人々に支えられています。
妻の死やいじめなど苦しい場面で、時にはさりげなく、時にはしっかりと支えてくれる仲間たち。
そんな仲間の優しさに触れることで生きる力を取り戻していく。

しかし、どんなに周りに助けられても最後は孤独な世界。
自分の足で立ち上がり、自分の力で前に進んでいくしかない。
そして実際前に進んでいく登場人物たち。

人の優しさに触れることで力を得て、孤独な世界を歩み続ける彼らの姿はとても美しく、とても勇敢でした。

孤独は美しい。
そう思えた作品でした。

・ひなた役の清原果耶さんの演技が素晴らしかった

後編でキーパーソン役となる川本家次女・ひなた。
その役を演じた清原果耶さん。

(一番右が清原さん)

彼女の演技が本当に素晴らしかったです。

いじめられているクラスメイトを助けた結果、
今度は自分がイジメの対象となってしまう。
地獄の日々が続く中でも、「自分のしたことは間違っていないはずだ」と苦しみながらも宣言するシーン。
原作で一番心を揺さぶられるこの場面。
映画では原作以上に心を揺さぶられました。

「演技」をしている雰囲気は一切なく、
本当にいじめで苦しんでいるひなたちゃん観ているようで、世界観にグッと引き込まれました。

役に染まりながらも自分の世界観をしっかりと心の奥底に持っているような彼女。
今後の活躍が本当に楽しみです。

 

・詰め込みすぎな感も

前編は状況説明が多くあったため、後編の方がより人物描写に時間を割いていたかと思います。

ただ、やっぱり詰め込みすぎな感はありました。

原作の世界観をそのまま映像化した分、原作を未読の方はついていくのに必死で感動する余裕がなくなってしまうのでは? と思いました。

前編の時も思いましたが、やっぱりこの映画は原作を読んでからの観賞をお勧めします。

・ほのぼの感はほぼない

ほのぼのするようなシーンはやはり多くありませんでした。
前の記事でも書きましたが、「3月のライオン」の良さは人々が紡ぎだすほのぼのした空気感にあると思います。

映画ではドラマチックなシーンが多く採用され、原作本来の良さであるほのぼの感があまりありませんでした。
後編は前編以上に無かったように思います。

ただ、救いなのは3女のモモちゃんのあのシーン。
「まんじゅうに何いれる?」というお爺ちゃんからの問いかけに「ガム!」と答えるアニメでも有名なあのシーンがあったこと。(笑)

欲を言えば、もっとドアップで映してほしかったでしたが、
期待通りシーンが採用されていてほっとしました。

(観賞したら貰えるポストカード)


マイナスな面も書きましたが、観てよかったと心から思える素晴らしい映画でした。

今後は人との出会いや触れ合いをもっと大事にしよう。
そう思える映画でした。

二部作の邦画では後編で失速してしまう映画が多い中、
3月のライオンは後編が前編を遥かに上回っためずらしい作品だと思います。

多くの人にお勧めしたい映画です。
ぜひみなさんも映画『3月のライオン前編・後編』観賞してみてください!

【映画『3月のライオン』が観れる映画動画配信サイト】

以下のサイトで映画『3月のライオン』を観ることができます。
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