やりたいことが無い人間はダメな人間なのか?【テラスハウス東京編第11話の感想】

「夢を持つと人生輝くよ!」
「みんなやりたいことを今すぐ見つけようよ!」

っていう雰囲気がどうも昔から苦手です。
大学生時代は周りからそんな言葉を言われ続けて、「やりたいことのない自分は無価値な人間なのかな?」と良く悩んでいました。

こんな導入文を書くと、なんだかこれからすごい説教臭い記事が始まりそうですが、最近ハマっているテラスハウスのただの感想記事です。笑

東京編第11話を観ていろいろと思うことがあり、記事にしました。

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テラスハウス東京編第11話

メンバーの中で最年少の流佳(ルカ)。

るか
彼は若干20歳の青年です。
他の年上メンバーは、俳優にミュージシャンにイラストレーターと、自分の「やりたいこと」をしっかりと持っています。

一方、ルカの職業はフリーター。
夢を聞かれても、「自分は誰かのヒーローになりたい。」
女性と喋ると顔が赤くなっちゃうという性格も重なり、みんなからはかわいい弟キャラ扱いでした。

※彼の甘えん坊キャラクターを批判する人がいますが、おそらく自己評価が極端に低い彼にとって、唯一の処世術があの方法だったのだと思います。
キャラをかぶっている訳ではなく、見知らぬ社会に溶け込むための方法として甘えん坊キャラという手段しか彼は持ち合わせていなかったのでしょう。

最初はモテキャラでしたが、次第に女性陣から相手にされなくなります。(東京編第11話現在)
なぜなら、やりたいことも無くフラフラしているから。

しびれを切らしたメンバーは(男も女も)、ルカに対して、アドバイス(という名の説教?)をします。

みんなから集中砲火をあびたルカは頭を抱えてしまう。。

というのが、テラスハウス東京編第11話でした。
すごーくモヤモヤしながらこの放送を観ていました。

夢を持っていない人に夢を持てとアドバイスすることの残酷さ

「夢を持つべきだよ。」

このアドバイスってとっても残酷だと思うのです。

「夢を持っていないあなたは価値がない。早く価値のある人間になりな。」
ってことを遠回しに伝えている行為だと思います。

どんなに思いやりの気持ちで発言したとしても、言われた側は、「夢を持っていない自分はダメな人間なんだ」という思考におちいってしまう可能性が非常に高いです。

そもそもみんなに認められるために無理やり考え出した夢は、本当の「夢」と呼べるのか?
もし、ルカが無謀な夢を抱き、ルカの人生が破滅したらみんなは責任を負えるのか?

夢を持っていない人に対して、夢を持つべきだというアドバイスは、その人の今までの人生を否定してしまう行為であり、今後の人生を過激なものにしてしまう可能性のあるアドバイスです。
十分慎重になるべきだと思います。

もちろん、
フリーターは恋愛対象にならないという女性は多いでしょう。
また、男女限らず、やりたいことがはっきりしている人間はカッコいいと思う気持ちもよく分かります。

ただ、それってあくまで自分の価値観の話しです。

その価値観を他者に押し付けるという行為は、また別のお話です。
「自分の価値観」と「他人の生き方」。
この2つははっきりと分けて考えるべきだと思うんですよね。

ルカの人生を考える時は、まずはルカの価値観・ルカの人生を尊重してあげましょうよ。
みんなが夢を抱いているのは素晴らしいと思うけど、夢のないルカはそんなにカッコ悪いことなの?
そんなモヤモヤを思いながら見ていました。

夢の有無は人間の価値を変えるのか?

やりたいこと(=夢)が見つかっている方はカッコいいです。

やるべきことが見つかると、今までのモヤモヤが晴れて、見える景色が変わってきます。
昔の自分のように夢のない人たちには、「夢を持つと楽しいよ」とアドバイスしたくなってきます。

私もブログという好きなことを見つけたときは、こんな気持ちになりました。

では、やりたいことが見つかっていない人間は本当に価値が低いのか?

決してそんなことないし、そもそも他人が誰かの人生を評価すること自体おこがましい行為だと思うのです。

特段やりたいこともなく、友達と遊びまわっている日々。
俳優として稽古に汗を流している日々。

どちらもとっても尊く、輝かしい時間だと思います。
たとえその生き方が他人にとって気に入られないものだったとしても、それはその人の価値観の話。

自分の人生は自分の人生です。

夢があろうがなかろうが、
友達が多かろうが少なかろうが、
その人の人生はかけがえのない人生です。

そして、他人の人生も同じぐらい、かけがえのない人生です。
たとえ他人の生き方が自分の価値観と異なっていても。

それこそが多様性のある社会だと思うのです。
「夢を持て」という考え一色で、夢のない人生を傷つける社会はそろそろ辞めにしませんか?

そんなことを思いながら、今日もだらだらネットフリックスを観ているのでした。